「日常的隣人への四題」への回答


【問1】 

・久美は相手によって発言内容を変える人間である。志田に対しては、隣家との境界をきちんと設定していない責任を隣家に負わせた方が自分に有利であると判断したから。

 

・発言は、現在の久美の男が言った事。久美は新しい男に対して真実を言えなかったため。

 

・垣根がないほうが久美は子供のものを置けたり、子供を遊ばせたりできて、都合がよい。プライバシーの問題からもつけなければとは思っていたが、つる子がよいというのに甘えていた。そのことに対して罪悪感を覚えていたが、大家となったいま見栄が働いて嘘をついてしまった。

 

・志田は、久美サイドが送り込んだ。久美サイドはつる子を追い出すため、志田に「垣根問題」を持ち出させてゆさぶりをかけた。

 

 ・久美はつる子に家を売らせたいと思っている。それが上手くいかないので、借家人志田を入れたが、志田には、つる子は協調性のない嫌な隣人だと思わせておきたいのだと思う。

(北海道・リラさん)

 

・久美が、つる子の家を買いたいという要望に、きっぱり断っていることに腹立たしく思っている。志田にはそういうつる子は隣人との話し合いにも応じない我が儘な人だと伝え、つる子が非常識な人なんだと思わせたかった。

(愛知県・Nさん)

 

・つる子に土地・家を手離させ、自分(久美サイド)の土地と共にまとめてそれなりに運用したいため。そのため、つる子の隣人となる賃借人の志田との関係を悪くさせ、つる子を追いつめようという魂胆で、垣根がないと志田が嫌がるだろうと予測し、つる子がいかに強情でケチで付き合いにくい相手であるかを印象付けようとした。

(静岡県・フヅキサヨさん)

 

 ・心の底で実は密かに、自分とは異なり独身貴族を満喫しているつる子のことを、羨ましいと感じていた久美自身の惨めさから、せめて最後に多少なりとも嫌がらせをしてやりたいという気持ちを相手に知らしめるため、自己表現してやりたいという悪意の表明への欲求、“立つトリ、跡を濁してやる”という策略に出たため。

(神奈川県・佐藤瑞樹さん)

 

 ・少しでも自分をつくろいたかったし、つる子はそれにそれに反論しないと思ったから。

(愛知県・Tさん)

 

【問2】 

・借家だったころは垣根なしにしていたので、土地を買ったからといって急に態度を変える気にはならなかった。実際、洗濯物が干せれば充分だったし。(つる子は持ち家ということにこだわりがあるようで、久美にそのこだわりを見せたくないのかもとも思いました。でも、志田には見せまくっているのでちがうかも)

 

・もめごとは面倒だった。受け入れる余裕というようなものがつる子にはある。

 

・神谷氏の横暴を受けている家族がかわいそうだという気持ちがつる子にあるため。つる子自身の生い立ちを考えると子供に犠牲を強いることはしたくないと考えたのではないか。

 

 ・庭は、つる子が唯一外の世界を受け入れられる場所なので、ここを境界でふさぎたくなかった。

 

 ・つる子のいままでの人生はいつも借家や社員休憩所に間借りするような住まい方なので、自分の領域に他人が出入りするのは当たり前の感覚だった。

 

 ・つる子の意識に、他人と垣根をつくろうという強い意識はもともとないのでは。

 

・神谷家の旦那も妻もつる子にとっては、どうでも良い人だった。端から隣人として意識する必要も感じないほどに、心から軽蔑し見下していたので、その視線もその存在も安い家賃を保証するための環境の一部として受け入れていた。

(北海道・リラさん)

 

 ・隣の神谷家の子供の遊び場になってもいいよ、旦那になにやかやと関わられたくないからという気持ちもあるが、遊んでくれれば雑草もはえなくて、まっいいかくらいの気持ち。

(愛知県・Nさん)

 

・自分の借りている家が、手に負えない神谷氏とセットであることで家主がなかなか手を出せず、ゆえにそのままになっている。したがって家賃が安いし、仮にこの土地を買うことになっても自分の手が届く範囲の安い値段で買えるだろうと思っている。つまり、神谷氏との関りが切れなければ自分の住む場所だけは保障されると思うため。

(静岡県・フヅキサヨさん)

 

・本音では憧れつつ、悲しいかな自分には手に入っていない生活をしている人間の暮らしを、悟られないようチラリと盗み見、かつ、味わうお裾分けが欲しかったため。

(神奈川県・佐藤瑞樹さん)

 

・つる子は神谷家をあわれに思い、上から目線で策定しないであげていた。

(愛知県・Tさん)

 

【問3】 

浅い理由

・売り言葉に買い言葉。

 

・つる子が垣根をつくりたくないと言っているという久美の嘘を否定するため。志田が、つる子は本当はつくりたくないと思っているというようなことをいつまでも言うので、つる子も意地になっている。

 

 ・たまたまその話題を持ち出した志田が良識ある人(つまりその人の視線が普通に気になる存在)だと感じ、大家が言った「垣根を作りたがっていない」という偽りを信じているらしいことに拘り、実際に垣根を作ることで、間違いなくそれは偽りだと証明したい、と思ったから。

(北海道・リラさん)

 

 

・売り言葉に買い言葉。

(愛知県・Nさん)

 

・家を持っている人間としての格好付け、プライド。      

(静岡県・フヅキサヨさん)

 

・揺らぐ心。                         

(神奈川県・佐藤瑞樹さん)

 

・志田は賃借人だから。

(愛知県・Tさん)

 

深い理由

・異性として意識しはじめたので、境界を作りたかった。

 

・借家人の志田に対する見栄。最初、志田は自分が費用を出すといっていたが、自分の家を持ったという自負から、それは許せなかった。昔みた緑の芝生とフェンス。その景色の一部を再現して、自分がここまでこられたということを確認したかった。

 

・異性との経験がほとんどないつる子にとって、いまさら恋愛にはまるのは恐怖でもあった。志田との距離を明確にするためにも垣根をつくりたかった。

 

・志田は普通に観察力があり、ものごとの裏側まで推し量って考えるタイプの人間なので、彼の視線を無防備に受ける生活はストレスが多すぎる。それを遮る垣根は自分にとっては必要なものだと感じた。

(北海道・リラさん)

 

・志田が若い独身。挨拶に着た時は境界を作ると言っておきながら、今度はそんなことより改造しましょうと提案してきた。玄関と便所を潰して風呂を作ろうなんて、何考えてんの。志田の魂胆が見え隠れする。つる子がこの先、緑の金網を張るのだろうか。

(愛知県・Nさん)

 

・自分の家や庭を誰にも干渉されずに持つという純粋な喜び。

(静岡県・フヅキサヨさん)

 

・離したくない、千載一遇のチャンスを手放したくない。

(神奈川県・佐藤瑞樹さん)

 

・志田とかかわりたい。

(愛知県・Tさん)

 

  

中間の理由

・垣根を作るという行為を楽しむ気持ちもどこかにあった。隣人がいなくなり、他人とのコミュニケーションが途絶えた中で新たに発生した志田とのいさかいや垣根をつくるという事を一種のイベントとして楽しめたのでは。

 

・つる子が家を自分のものにし、隣人から被る迷惑を環境の一部だと諦める生活も神谷の死亡によって終わった。今や、より快適な生活を求めることも可能となった。そこで、かねてからの漠然とした憧れだった緑の金網の垣根を取り付けたいという希望も実現させられると思った。

(北海道・リラさん)

 

・ずるずると他人の庭へ踏み込んで来る若い男の図々しい態度に今まで地味に暮らしていたつる子には、うざったくもあり気にもなる。これからも今まで通り地味に暮らしてゆきたい。

(愛知県・Nさん)

 

 ・うるさい、自分のプライベートにづかづか踏み込まれたくない。

(静岡県・フヅキサヨさん)

 

・人生初めてのトキメキ、男性に対し、自分を気高く見せたい欲求に揺れている。

(神奈川県・佐藤瑞樹さん)

 

・私は前から作りたかったんだよのアピール。

(愛知県・Tさん)

 

【問4】 

・志田は今で言うアスペルガー症候群である。他人の気持ちを理解できない。

 

・つる子は、当時としてはかなり自立した女性である。

 

 ・志田は、実家がそこそこの金をもっている恵まれた経済状況の男なので、精神的にも自立してない。また、つる子の自立心について全く考えが及ばない。

 

 ・なんだかんだ言っても、つる子は志田のことが好きだ。志田は母親に甘えるようにつる子に甘えている。

 

 ・つる子はなんだかんだ言って志田との関係を楽しんでいた。言葉尻にその喜びが見えていたので、志田もその言葉をそのままに受け取らず、拒絶されているとは感じなかった。のはあるのかなと…。

 

 ・志田はつる子との関係を自分の望むように展開したいという希望を持っている。その為に、つる子の言葉を敢えて理解しないかのように装い自分の願う方向へ持ってゆこうとしている。つる子はそれを感じながら、それに対応しようとしている。

(北海道・リラさん)

 

 ・静かになった生活が志田が隣に来たことに神谷家とは全く違った生活にとまどっていながらも、何かしら心が言葉とは違った反応も感じていく自分に気づいてはいないようだ。

(愛知県・Nさん)

 

 ・ただ一点、つる子と一緒に関わりたいため。関わりたい理由はいろいろあり、これという決め手は私には見つからないが。本質的か後天的かわからないが、志田には「普通の常識を備えているが少々の弱みを持つ人間に対しての自分を認めさせようとする徹底したやり方」が身についている。志田は極端であるが、しかし、もともと縁もゆかりもない人間同士が隣人となった時、お互い同士、これに近い心の作業をしあっているともいえるのかもしれない。

(静岡県・フヅキサヨさん)

 

 ・実は志田は、深い部分で心にバリアーがあり、“女になど、自分のなわばりを荒らされないぞ”という確固たる人生の基本理念を持ちつつも、『つる子』という、不思議かつ少々魅力的な名を持つこの女性に、猫のようなキュリオシティで、少し惹かれてしまったから。

(神奈川県・佐藤瑞樹さん)

 

 ・そもそもつる子の言動はうらはらなので志田が正解。

(愛知県・Tさん)